キャンピングカー・バスコンの内装
バスコンの魅力の一つは、車内レイアウト
「動く家」とも言われるキャンピングカーは、車内にベッドやテレビ、冷蔵庫、エアコン、シャワーなど、家にいるのと変わらない居住スペースを兼ね備えた車。車内の限られた空間に、色々な設備を詰め込む工夫がされています。
例えば、日本で一般的なキャンピングカーとして知られるバンコンの最適な使用人数は2~3人。2人用として使うとしても、ソファをスライドさせてベッドにしたり、後部を収納型2段ベッドにして就寝スペースを確保。キッチンは、引き出し式シンクや折り畳み式の調理台を使って、狭い室内を有効活用しています。
ただ、実際に、就寝時に物を片付けて、ソファをスライドして、それから寝具を用意して・・・となると、思った以上に手間がかかります。
一方、バスコンは普通免許で運転できるよう、乗車定員10人乗り以下に改造することが多く(運転免許詳細はこちら)、レイアウト次第で5~6人程度寝ることができます。
長さを活かして、ダイネット(ダイニングスペース)とベッドを分け、独立した2ルームの間取りにすれば、ベット展開の手間がかかりません。
内装のポイントは断熱
一般的な車に比べて窓が多いバスコン。普段乗車している時は、窓の多さにメリットは感じても、特別問題には思えません。ですが、車中泊が前提になるキャンピングカーでは、エンジンを止めた車内で就寝するため、冬はスキーに行っても凍えて寝れない。夏のキャンプでは直射日光が当たって汗が止まらない、ということが起こります。
そこで、外気の影響を受けにくくする断熱処理が必要になります。自作する場合、自分で天井や側面の壁を一度はがしてから、断熱材を敷き詰めます。窓は、不要なものを埋めたり、断熱フィルムを張って対策を。
断熱加工は、キャンピングカーが完成すれば見えなくなってしまう設備ですが、まずは車内の快適性を高める改造を行うことが大切です。
バスコン以外のキャンピングカーは、断熱処理が不要?
バンコンや軽キャンパーのベース車も、元々車内で泊まることを想定して造られているわけではありません。そのため、外装の鋼材は熱伝導率が高く、バスより窓面積が小さいとは言え、外気の影響を受けやすくなります。どのキャンピングカーも、断熱加工をすることで、車内の快適さが変わります。
サブバッテリーの重要性
車を始動させるために、元々搭載されているのがメインバッテリー。FFヒーターや冷蔵庫など、車内の電化製品を使用するため後付けするのがサブバッテリーです。外部電源に接続できない場所では、エンジン停止中、車内で生活するのに欠かせません。
キャンピングカーに快適な生活を求めて、テレビや電子レンジ、家庭用エアコンなどの消費電力の大きい家電を設置する場合、使用できる電気の容量を増やす必要があります。補助としてポータブルバッテリーを置いたり、サブバッテリーを2個、3個と増やしたり、大容量のサブバッテリーシステムを搭載するなどして、生活電源を確保します。
走行性に関する装備
エアサス
空気圧を利用して車体の高低を調整するサスペンションを「エアサスペンション」と言います。空気バネが走行中の振動を吸収するので、柔らかな乗り心地になりますが、高価な点がデメリット。
トラックに使われる事の多い「リーフサスペンション」は、複数の鋼素材の板バネを伸縮させて衝撃を吸収するシンプルな仕組み。非常に丈夫なため重い荷物を支えるのに適していて、コストも抑えられますが、乗り心地は硬めになります。
キャンピングカーは、商用車をベースにしたものが多いため、乗り心地を高めるためには、エアサスをカスタムする必要があります。
バスコンの場合、中型・大型バスをベースにするなら、ほとんどが元々エアサスを採用。マイクロバスの人気車種トヨタコースターは、2017年のフルモデルチェンジから、他の技術でエアサス同等の乗り心地を実現したとして、エアサス装備がなくなりました。
タイヤ
重量のあるキャンピングカーやバスコンは、タイヤにかなりの負担がかかります。タイヤバースト(破裂)してしまわないように、普段から空気圧をチェックし、2~3年に一度はタイヤ交換するのが理想です。タイヤ交換を業者に頼むと2万円前後ですが、タイヤレンチ、車止め用ストッパー、ジャッキ、鉄パイプを用意して、自分で作業することもできます。
車検から全部自分で対応すると、慣れている方でも120~130万円位かかります。もちろん、装備や使う素材よって差が出ますが、豪華な内装でなければ、200万円程度が目安のようです。
バスコンの車検
バスコンに改造した後は、車検が必要です
車は、車種によってナンバーで分類されています。
- 11人以上乗りのバス ・・・2ナンバー
- キャンピングカー(特種用途車両) ・・・8ナンバー
2ナンバーで登録されているバスを購入して、椅子を外すなどの改造した場合、車内の構造が変わるため、構造変更の許可をもらい、車検を通さなければなりません。許可がおりないとナンバーがもらえない事態に。
もし、名義変更をした後で改造したとしても、1年以内に車検が必要です。
構造変更申請の流れを確認
[STEP1]
まずは、図面を引く
[STEP2]
陸運局の車両課に行って、相談する
[STEP3]
そこで承認がおりると、図面に承認のハンコがもらえる
[STEP4]
その通りにつくる
[STEP5]
車検に通す
構造変更は必ず必要?
ハイエースなどを荷物を運ぶための「貨物車」として登録した場合、簡易なキャンピングカー装備であれば、普段はベットやテーブルなどを荷物として積載し、車検時に全て降ろしてしまうことで、構造変更の申請を逃げることができます。
しかし、バスは、貨物車ではなく人を乗せて移動する「乗合車」。このような方法は使えません。
バスコンを自作するとき、注意すること
木造で造り込みをしようとすると、火災のおそれがあるとして承認がおりません。不燃木材等(木材でなくても)不燃の資材を調達します。
検査の時に、車両を30度傾けてタイヤが浮くとダメなど、車内の重量配分なども気にする必要があります。
実例をチェック!
車中泊DIY
キャンピングカーへの改造ではないですが、実際に中古バスの達人でバスを購入し、普段はバスとして利用、夜にはベットとしても活用できるようDIYした方の作品をご紹介します!
<ベットにする作業>
- 木材をトランクにいれておく
- 寝る前にシートの座面を外し、その上に木枠を設置
- マットを敷いてベットの完成!
この事例の場合、友人に作ってもらって金額は3万円だったそうです。
小型バスのキャンピングカー改造
中古バスの達人で4列小型バスを購入し、知り合いの業者に頼んだケースです。
・製作期間・・約1ヶ月
※工場が閑散期だったため、かかりっきりで作業してくれてこの期間
・費用・・200万円予想(友達価格)
※作業過程を報告してもらい、その都度購入等について相談をしながら決める
<製作手順>
- 車輛をスケルトンにする
- キャンピングカーの家具等を販売してる会社から部品(家具等)を購入
- 組付け
- 検査