バスの排ガス規制について

バスを購入して自家用で使用する場合に注意するべき、バスの排気ガスについての規制が2つあります。自動車NOX・PM法による規制と、九都県市ディーゼル車規制、です。

●自動車NOX・PM法は、排ガス基準を満たさないバスの大都市圏での登録を認めないという規制です。つまり、車輛と車庫の住所についての規制です。対象エリアである、関東の一都三県、愛知県(三重県の一部)、大阪府、兵庫県にお住まいの方は注意が必要です。

違反する車両は、車両登録ができなので、ナンバーがもらえません=乗ることできません。

●九都県市ディーゼル車規制は、基準を満たさないバスの運行自体を認めない規制で、対象エリアは、関東の一都三県です。

違反した場合、50万円以下の罰金を科せられます

自動車NOx・PM法

概略

自動車NOx・PM法とは、大都市地域における大気汚染対策のため、ディーゼル車から排出される窒素酸化物(NOX)や粒子状物質(PM)の削減を目的として2002年10月に施行された法律です。

この法律により定められた地域では、NOX・PM対策をした車両(規制をクリアしたエンジンを積んでる、もしくは、規制をクリアする排煙装置がついてる)でないと、車両の登録ができません。つまり、ナンバーがもらえません。

確認方法

バスが、自動車NOx・PM法の基準を満たす車両かどうかを確認するには、車検証の記載を確認します。

車検証の『備考欄』に、『使用車種規制(NOx・PM)適合』とあれば、基準を満たした車両で、『この自動車はNOx・PM対策地域内に使用の本拠を置くことができません』とあれば、基準を満たしてない車両です。

中古バスの達人では、バス紹介ページの「仕様・装備」の欄の【NOxPM適合】の欄で確認できます。

適合してない車両を登録する方法 

どうしても、自動車NOX・PM法の基準を満たさない車両を、規制エリアで登録したい場合は、後付けの排煙処理装置をつければ登録できます。

ただ、排煙処理装置を設置する費用が、およそ100万前後はするそうです。詳細は、バスを扱える自動車修理工場さん等でおききください。

対象エリア詳細

以下が、自動車NOX・PM法の対象地域になります(市区町村単位)

【埼玉県】※50音順

上尾市、新座市、入間市、桶川市、春日部市、川口市、川越市、北本市、行田市、久喜市、鴻巣市、越谷市、加須市、熊谷市、さいたま市、坂戸市、幸手市、狭山市、志木市、白岡市、草加市、鶴ヶ島市、所沢市、戸田市、新座市、蓮田市、羽生市、東松山市、日高市、深谷市、富士見市、ふじみ野市、本庄市、三郷市、八潮市、吉川市、和光市、蕨市、伊奈町、上里町、川島町、杉戸町、松伏町、宮代町、三芳町、吉見町

【千葉県】※50音順

我孫子市、市川市、市原市、浦安市、柏市、鎌ヶ谷市、佐倉市、白井市、千葉市、流山市、習志野市、野田市、船橋市、松戸市、八千代市、四街道市

【東京都】※50音順

東京23区、昭島市、あきる野市、稲城市、青梅市、清瀬市、国立市、小金井市、国分寺市、小平市、狛江市、立川市、多摩市、調布市、西東京市、八王子市、羽村市、東久留米市、東村山市、東大和市、日野市、府中市、福生市、町田市、三鷹市、武蔵野市、武蔵村山市、日の出町、瑞穂町

【神奈川県】※50音順

厚木市、綾瀬市、伊勢原市、海老名市、小田原市、鎌倉市、川崎市、座間市、逗子市、相模原市、茅ヶ崎市、秦野市、平塚市、藤沢市、三浦市、大和市、横須賀市、横浜市、愛川町、大磯町、大井町、寒川町、中井町、二宮町、葉山町

【愛知県】※50音順

あま市、安城市、一宮市、犬山市、岩倉市、大府市、尾張旭市、愛西市、稲沢市、岡崎市、春日井市、蒲郡市、刈谷市、北名古屋市、清須市、江南市、小牧市、瀬戸市、高浜市、知多市、知立市、津島市、東海市、常滑市、豊明市、豊橋市、豊川市、豊田市、長久手市、名古屋市、日進市、西尾市、半田市、碧南市、みよし市、弥富市、阿久比町、大口町、大治町、蟹江町、幸田町、武豊町、東郷町、豊山町、東浦町、扶桑町、飛鳥村

【三重県】※50音順

桑名市、鈴鹿市、四日市市、朝日町、川越町、木曽岬町

【大阪府】※50音順

池田市、泉大津市、泉佐野市、和泉市、茨木市、大阪狭山市、大阪市、貝塚市、柏原市、交野市、門真市、河内長野市、岸和田市、堺市、四条畷市、吹田市、摂津市、泉南市、大東市、高石市、高石市、高槻市、豊中市、富田林市、寝屋川市、羽曳野市、阪南市、東大阪市、枚方市、藤井寺市、松原市、箕面市、守口市、八尾市、熊取町、島本町、田尻町、忠岡町

【兵庫県】※50音順

明石市、芦屋市、尼崎市、伊丹市、加古川市、川西市、神戸市、高砂市、宝塚市、西宮市、姫路市、太子町、播磨町

九都県市ディーゼル車規制

概略

こちらも自動車NOx・PM法と同じように、大都市地域における大気汚染対策のため、自動車NOx・PM法の翌年、目的として2003年10月に施行された条例です。ただ、注意が必要なのが、自動車NOx・PM法とは別の規制で、自動車NOx・PM法の基準を満たしていても、九都県市ディーゼル車規制を満たしていない車両もあるので、関東圏での運行を考えてる場合は、両方確認する必要があります。

自動車NOx・PM法で、対象エリアでのディーセル車の登録が規制されましたが、対象エリア外で登録した車両が、一都三県を運行することで大気を汚染することを規制するために設けられた条例です。2006年4月からは、東京都、埼玉県で、さらに、対象車両が増えました。

規制される車輛は、車輛型式が、K-、N-、P-、U-、W-、KA-、KB-、KC-、で始まる車輌。東京都・埼玉県では、さらに、KE-、KF-、KG-、KJ-、KK-、KL-、HA-、HB-、HC-、HE-、HF-、HM-、で始まる車輌。

規制される車輛の場合、後付けのPM減少装置の装着が必要になります。違反した場合、50万円以下の罰金を科せられます

対象エリア詳細

東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県 が規制対象エリアです。

確認方法

1)車検証の『型式』の欄を確認して、上記該当の型式の車輛かどうかを確認。

2-1)該当の型式の場合、所有者さんが、『PM減少装置の装着証明書』を持ってるか、どうかを確認。持ってればOK。

2-2)該当の型式の場合、車輛に、『九都県市適合車』のステッカーが貼ってるかるかどうかを確認。貼ってあればOK。

中古バスの達人では、バス紹介ページの「仕様・装備」の欄の【九都県市規制】の欄で確認できます。

罰則の実効性(どうやって確認するの?)

役所の職員等に、この条例の件で質問を受けた場合は、『PM減少装置の装着証明書』を提示して、規制をクリアしてることを証明する必要があります。

役所の人も暇なわけじゃないから、いつどこに来るかわからないディーゼル車を待ち伏せするようなことはしないだろう、とお思いの方もいらっしゃると思います。

あるバス会社の社長から聞いたうわさ話ですが、監視カメラの映像をもとに、車両を特定して、会社にやってくることがあるそうです。その際、装着証明書を提示できなければ、注意され(装置の装着を促される)、『次見つけたら、50万円の罰金ですからね』と言われるそうです。

バスを購入する場合には、気を付けていただいた方が良さそうです。